「少年と町」が京都国際学生映画祭でグランプリを受賞した小林達夫の初長編作品。 映画祭の審査員 渡辺あやが脚本を手がける。監督の地元京都を舞台に、観光客を騙す高校生の日常と、 伝統の側に生きる舞妓との出会いを描いた青春映画。

この映画の高校生は、京都を訪れる観光客を「退屈な京都に群がる人々」と決め込んでいます。 伝統や文化に興味がないのに、外部の人が惹かれるモノが近くにあることに優越感を抱いてる、 その一方で自分は何も「所有」していないことも薄々知っていて、「京都を変える」という極端な思考に走ることで その自信のなさを振り切ろうとしています。 でもその極端さから彼らが何かを決定的に失うことはありません。 伝統も文化も若者の自意識すらも取り込み、ズルズルと共存していく体系こそが自分の思う京都の姿で、 京都を嫌いながらも京都に依存し、大人になってゆける高校生も、つづいていく街のひとつの在り方だと思うのです。

小林達夫